愛ニ狂ッタ人






私は立ち上がり、彼の机を見た。

大学で使う参考書などと一緒に置かれている、1冊のノート。

模様はないけど、まるで鮮血のような、真っ赤なノート。



透明なフィルムに囲まれていて、鍵がつけられている。

4桁のダイヤル錠で、一見誰も見られないようになっている。




私は鍵を持ち、ダイヤル錠をまわしていく。

4桁の番号は、わかっている。

私は彼の彼女なのだから。





カチャッと、簡単に鍵が開いた。

番号は、1201。

私の誕生日、12月1日だ。

…とても単純に作られているなぁ。

見られてはイケナイもののはずなのに。





私は、ペラリとノートを捲る。

そこには彼の綺麗な字で、怖いことが書かれていた。





――――――


1、目を潰す

2、耳を切り落とす

3、嘔吐物の上に頬を当てる

4、ペンチで唇を挟む

5、バットで殴る

6、鋸で腕を切り落とす

7、スマホにはいっている写真を消す
(上記は予定)


――――――





その次にも書かれており、内容は30近くにのぼった。









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