さぁ、オレと恋をしてみようか
やっと絞り出した言葉に、千織さんはトボけた。


ムッ、とクチビルを尖らせると千織さんがムクッと起き上がった。


「ごめんごめん。最初はホントに気持ち良くなって、寝てたんだよ。でも芽衣子の手が動いた時に目が覚めたんだ。それで芽衣子が、どんな起こし方してくれるのかなぁ?って、待機してたの。でも我慢できなくなって、イタズラしちゃった。ははっ」


笑い事じゃないよ…もうっ。


「怒った?」
「……っ!?」


再びわたしが驚いたのは、千織さんの顔が急に目の前に現れたから。


ち、近すぎる距離っ。目をギョロギョロさせると、千織さんはスッと立ち上がった。


「行こうか」


目の前に出された大きな手。迷うことなく、その手を握ると立ち上がった。


絶叫系はちょっと苦手だったけど、トナリに千織さんがいるってだけで、楽しいと思うことができた。


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