さぁ、オレと恋をしてみようか
はぁ…でも、こんなところで休憩なんかしてらんない。


この時間だ。もう、芽衣子のお父さんは帰ってきてるだろう。


だけど、そんなことより芽衣子に会いたかった。


会って、理由だけでもいいから知りたかった。


女々しいオトコかもしれないけど、やっと…やっと、手に入れた恋なんだ。


37歳にもなってアホだと言われるかもしれないけど、これだけは、この恋だけは失いたくないんだっ。


震える手で、チャイムを押すと「はーい」と、オンナの人の声が聞こえた。


「助かった…」


これがお父さんなら、門前払いだったかもしれないから。


玄関のドアが開くと同時に「千織くんっ!?」と、お母さんが大きな声を出して驚いていた。


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