さぁ、オレと恋をしてみようか
「ん、どした?オレが37歳で、そんなにショックだったか?」
「べ、別にそんなこと思ってないです…」
「そうか?明らかに〝ショック受けましたー!〟って、顔してるけど。まぁ、いいか。ほら、オレも言ったんだから、キミの年も教えて?」


え、わたしそんな顔してたの!?


よく、色んな人に〝顔に出てるよ〟って言われてたけど、お兄さんにまで見透かされてしまってたなんて…。


「おーい。聞こえてるかー?」
「えっ!?あ、ごめんなさい!!年…。あの、ハタチ、です…」


なんとなく言いづらくて、遠慮がちに言うと、お兄さんの顔が固まったのがわかった。


「おー、これまたかなり若いな。って、ヤバ。店、無人だった。また、来てよ〝ハタチ〟ちゃん!じゃーな」


お兄さんは、ふ、と笑って片手を上げると〝オクダ〟があるほうへ、行ってしまう。


ねぇ、いいの?お兄さん、行っちゃうよ?


〝ハタチちゃん〟なんて、そんな呼び方ヤダ…。


「あのっ!!」


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