さぁ、オレと恋をしてみようか
***


「芽衣子ちゃん、休憩してー」
「あ、はぁい」


わたしの休憩は、1時から。奥さんの美和子(みわこ)さんの声に返事をして、奥にある小さな部屋へと入った。


1時から2時までは、美和子さんが接客をする。


だから、この1時間は、この部屋には、わたしだけしかいなくて、眠たければ横になって眠ってもOKなのだ。


わたしが休みの日は、新井(あらい)さんという46歳の方が来てくれる。


新井さんは、週2の仕事を探していて、わたしの穴埋めでもいいということで入ったパートさんだ。


だから、このパン屋は4人で回してることになる。


100円パンのわけだし、たくさん人を雇えないのが現状なんだと思う。


赤字なのか黒字なのか、そんなことは聞いたこともないから、わからないけれど、すごく儲かってるとは思わない。


ただ、店長の剛史(たけし)さんも美和子さんも楽しそうな感じが、伝わってくるんだ。


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