さぁ、オレと恋をしてみようか
だから、わたしも笑顔でいられるのかもしれないな。


一息、ため息をついてスマホを手に取り、慣れた手つきで操作する。


……うん、特になにもなし。


「つまんない人生」


声に出すと、途端に虚しくなる。


雇われてるのは、わたしと新井さんだけ。


年も離れてるから、友達感覚で喋れないし、なんと言っても、会うこともないから距離が縮まることもなく。


〝話すこと〟と言えば、わたしが体調を崩した時に変わりに出てもらうのに電話した時か、新井さんに用事ができて、休みを変わる電話が来た時くらい。


あとは店長剛史さんの希望で月に一回、4人で飲みに行くことがあって、その時に話すくらい。


学生からの友人は、みんなやりたいことがあって大学に行った子が、ほとんどで勉強にバイトに合コンにで忙しいらしい。


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