志ーこころー 【後編】
床の軋む音が、自分の悲鳴に似てとれる。
てくてくと歩いていった先には、中庭が広がっていた。
決して広いわけじゃないけれど、狭くもないちょうどいいサイズ。
長方形のその庭には、真ん中に一本の梅の木。
しかし、その無機質な空間には、梅の木はあまりにも場違いのような気がした。
だが、どこか惹かれる。
花びらが散ってしまったけれども、どっしりと存在感のある梅の木は、青々と茂っている。