みんなの冷蔵庫(仮)1
「私も、何かまた、消えたりしたら、怖いから、もう、出さないから」


私がひとしきり泣き終わると、二人は月夜の中、指切りをした。





「ねえくららちゃん」


シグマがそっと手を繋いできた。
私は繋いでない方の手の甲で、涙を擦ってシグマを見る。
シグマはやっぱり笑っていた。


「俺が一人になるって言ったでしょ?」


私は黙って頷く。
涙は止まりかけていたけど、なんだか酷い事を言ってしまった気がしていたので、何も言えなかった。


「俺が一人になるって事は、くららちゃんも一人になるんでしょ? じゃ、二人共一人だから、一人じゃないね」


シグマは頭をぼりぼりとかきながら言った。
ふわふわした茶色の柔らかい髪に、泥の固まりがいっぱい付く。

私は丁寧にその泥を摘み取りながら「そうだね」と言った。



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