みんなの冷蔵庫(仮)1
「バイト前に着替えたいので、やっぱり家にお願いします」


私のバイト先は一人暮らしのマンションから程近い焼き鳥がメインの居酒屋で、あまりお洒落な店ではないけど、大将の人柄と備長炭で焼く焼鳥が安価とあって、週末は閉店間際まで満席になる程の人気がある。

今日は土曜だから、きっと開店して間もなくから忙しくなるだろう。

ワンピースでバイトは無理なので一度家に帰らなくては。

バイト先を知っているくらいだから、家も知っているに違いないと予想はついた。


「分かりました」


佐田さんの低音が、ウィンカーの音と重なり、私は手にしたままのハンカチをもう一度強く握った。

佐田さんは京極をずっと前から知っている、それだけは何となく分かった。


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