みんなの冷蔵庫(仮)1
「行きましょうか」


佐田さんがそう言うと、頷く事しかできない。

エレベーター前まで佐田さんの少し後ろを歩きながら、よくわからない何か大きな渦の中に自分がいる事を肌で感じて、息ができない程の胸の痛みに襲われる。


「あのっ!」


やっぱり我慢できなくて、到着したエレベーターに乗り込んですぐに口を開いた。

佐田さんの目は聞かれる事を拒んでいないと感じた。


「何が起きているのか、自分が今どういう状況なのかがわからないって、一番怖いんです」


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