みんなの冷蔵庫(仮)1
シグマは始終尻尾を振り続ける小犬みたいでかわいい。

でも、隣に住んでた頃は、この無邪気っぷりが時々欝陶しかったりしたっけ。

私が今大学生ってことは、シグマはもう高校生か。

世間に揉まれても、まだ昔のまんまのシグマでいてくれたことは、ちょっと嬉しい。

そういえば、さっき私の事もかわいいとか言ってたっけ。

お世辞なんか覚えちゃって。

確かに今日は気合い入れてるんだよね。

昨日美容院に行って、胸まであった髪を、思い切ってボブにして。

まつげパーマだってしたし。

メイクも時間をかけたし、清純そうに見えるかなって計算で、白い膝丈のワンピースに薄いピンクのカーディガンを羽織って。

高校生のシグマから見たら、私ってば「綺麗なお姉さん」で、近寄りがたかったりするのかな。

ごめんねしーちゃん。
私はもうすぐ二十歳だし、もう、大人の女なの。あなたと遊んであげれないわ。

なんて考えてると、シグマがエヘンと胸を張り、まるでとっておきの話でもするかのような顔をした。


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