みんなの冷蔵庫(仮)1
「ここから先はシグマから聞いた話をするから、何か違っていたりしたら、言ってくれ」


私は無言で頷いた。


「シグマが小学四年、くららが六年の春、君達は下校途中に立ち寄った空き地で、ピンク色に輝く石を見つけた」


淡々と喋る京極の、綺麗にラインが引かれたような唇を見ていた。

そして

記憶の糸を手繰り寄せる、というのか

昔の事が荒波の様に押し寄せてくる、というのか。

とにかく私の頭の中はあの日へ飛んでいった。



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