カフェには黒豹と王子様がいます
 よく考えたらそうだ。

 あの人が二度目のお母さんで、昔本気で好きだった人で、今うまくいってないって……

 そっか……そういうことか。

 そういえば、徳永先輩は高校卒業と同時に、一人暮らししてるって聞いた。

 告白……とか、しちゃったのかな。

「あのさ、すぐ顔に出るって言ったろ?いろいろ想像するのやめてくれないかな?」

「え?!な、何も考えてませんよ!」

「うそつけ。じゃあ、余計なこと考えられなくしとく」

 突然、徳永先輩の顔がすごく近くに来た!と思ったら、唇に柔らかい感触……。

 驚いて固まっていると、爆笑の徳永先輩

「その顔!色気ない!」

 色気とかそんなんじゃなくて、ちょっと、今何しました?

 みるみる赤くなっていく顔。

 ずっと、息をするのも忘れてる。

 わ、私、王子様と、キキキキキキキキキス! 

 しちゃった!!!
< 161 / 443 >

この作品をシェア

pagetop