カフェには黒豹と王子様がいます
 言葉が止まらない。

「今日子が明日からバイトに来るって知った時の、西口の顔とか見てると、たまらなくなる」

 何言ってんだ僕。

「……いっそくっついちゃえばいいと思って、小野田が倒れた時、小野田のところに西口を行かせたけど、二人でいる姿を見たら引き離したくなった」

「徳永先輩……」

「西口を小野田に渡したくない」

 言っちまった。

 正直な気持ち。

 西口はどう思ったんだろう。

 すごくドキドキする。

 ゆっくり西口に近づく。

 そっと、やさしく、やさしく抱きしめた。

 本当に人を好きになると、相手がどう思っているのか、考えるのが怖いんだな。

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