カフェには黒豹と王子様がいます
 最初は何やらせてもトロくさかった。

 すぐ大きな音を立てるし、覚えも悪い。

 見ててイライラする。

 なんでこんな奴バイトに雇ったんだろう。

 
 最初はそう思ってた。

 でも、できないやつほど、みるみる上達していくのが見ていて楽しい。

 かなり努力しているのもわかった。

 コーヒーやケーキのことも一生懸命勉強してるし、俺たちの動きも見ている。

 どうしたらスマートに接客できるか、どうしたらお客様に喜んでもらえるか、考えられるようになっている。

 技術は追いつかないが、その一生懸命さがいい。

 ちょっと見直した。

 これで自分なりの接客をつかんでくれたら言うことない。
 
 なんて思っていたら、つかんでるじゃねえか。

 何だよそのケーキの説明。

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