カフェには黒豹と王子様がいます
 警察から出ると、マスターと西口がいた。

 ちょっとやめて欲しかった。

 西口のその泣きそうな顔。

 そして、俺の怪我の心配。

 空気読めっ

 俺は徳永に聞こえないように西口の耳元で、

「大げさにするな!徳永が辛いだけだろ!」

 と言ったら、西口は真っ赤になった。

 それを見て、徳永が爆笑する。

「小野田、不用意に女の子の腕つかんじゃだめだよ」

 自分が西口の腕をつかんでいたことも今気が付いた。

 細い折れそうな腕。

「こんなの女じゃねえよ」

 と言いながら慌てて手を離した。

 徳永が笑ってる。

 もうそれだけでなんでもよかった。

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