カフェには黒豹と王子様がいます
「今日子とあんまり仲良くしてると、豊川、小野田に闇討ちされちゃうよ」

「や、闇討ちー?」

「だから仲良くなんてしてないってば!」

「あははは」

 もう!何よ、優のやつ!

 自分がちょっと幸せになってきたからって、こっちまでくっつけんな!

 
 ちらっと香織さんを見ると、香織さんがあたしに手招きする。

「なに?」

「徳永さん、今度誕生日だって聞いたんですけど、何かしてあげたいなって思ってるんです。何をしたら喜びますか?」

「えーなんだろ。香織さんにリボンかけて「はいどうぞ」かな?」

「え?!」

「あはは、うそうそ。あいつはねえ、ああ見えてギュって抱きあってるだけの方が好きなんだよね。だから、抱きしめてあげたらいいんじゃない?」

< 408 / 443 >

この作品をシェア

pagetop