カフェには黒豹と王子様がいます
第十三章  オネエさん、さようなら
第十三章 オネエさん、さようなら


 竹本さんは何日も、かなり落ち込んでいた。

 私もなんか頭が混乱していて、ため息が多かった。

 そんな私たちを、見るに見かねた小野田先輩と徳永先輩が、閉店後、フロアの席に座らせた。

 徳永先輩が茶器セットを持ってきた。

「徳永の2度目のお母さんがお煎茶の先生で、徳永も仕込まれたからな。こいつのいれる煎茶はマジでうまいよ」

 小野田先輩はそう言って、買ってきた和菓子を用意していた。

「コーヒーは、竹本さんみたいに美味しく入れられないけど、お煎茶なら入れられるからさ」

 
 まずは一煎目。

 口の中に甘みと香りが広がる。

 緑茶ってこんなにおいしかったんだ……。

 少しぬるいくらいのお茶が何とも言えずまろやか。

 それから、和菓子。

 葛の水まんじゅう。

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