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「ごめんね、遠回りさせちゃって」
「次、タク拾えっか分かんねぇしな」
「楓もさ、専用迎えとかつけたらいいじゃん」
「なんで?」
「だったらさ、わざわざタクシー拾わなくていいでしょ?」
「いらねぇ…俺、基本一人になりたい奴だから」
「それ昔からよく言うね」
ミカはクスクス笑う表情をスッと消し、小さくため息を吐いた。
「楓の彼女は幸せなんだろうなー…」
「つか俺にそんな奴いねぇけどな」
「でも好きな人は居るよね?」
「なんで?」
「なんとなくそんな気がする」
「なんだそれ」
「楓はさ、いつも相手の言葉を優先するよね?自分の意見は言わないの?」
「どう言う事?」
「さっきもそう。私が出した結果を受け止めたから」
「あー…。じゃ言ってもいいか?本当はお前の周りと同じ意見だよ。一人でどうすんの?とか、もっと考えろよ。とか、すげぇ思う」
「……」
「でもそれを言った所でお前はそれに従うのか?って話し。何が正しくて何が正しくないのかなんて分からねぇよ」
「……」
「結局は自分の考えた道が正しくて。まぁ、そうじゃねぇ時もあるけど、結局は相談しても自分の意見を尊重してほしいだけだろ?否定されるとムカつくんだよ、人間って」
「……」
「お前がそうするって決めたんなら、それが1番の選択で1番の幸せな道なんじゃねぇの?」
「……」
「お前のお母さんも受け入れてんだったら、甘えろよ。親がいる間に助けてもらって、甘えればいーんだよ」
「……」
「ま、俺にはそんな経験すらねぇからわかんねぇけど」
苦笑いで呟く俺にミカは悲しそうに笑った。