君桜
そして。

そのことを、嬉しく思える。


これからもっと、クラスに馴染んでいける気もするし、友達だってつくれるかもしれない。

もちろん咲樹は、ずっとずっと大切な友達。


外を見ると、もう散ってしまった桜が目に映る。


あの日楓がくれたぬいぐるみは、家に大事に置いてある。

母が帰るまでの独り寂しい時間には、誰かが……楓が、そばにいてくれているような気がした。


ひとりじゃないって、思った。



……もう、大丈夫。


樹々の間を吹き抜けてゆくそよ風とともに、楓の笑顔が見えた気がした。





end.


< 21 / 21 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

幻奏少女

総文字数/12,771

ファンタジー39ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
深夜3時の僕の部屋。 夜陰に紛れて妖艶に、 見知らぬ全裸の美少女が 貴やかな微笑みとともに一言 真っ直ぐな視線で、告げた。 「──死んで?」
線香花火

総文字数/8,922

恋愛(その他)27ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
思い出すのはいつだって 最後に逸らした君の瞳と 儚く散った小さな灯り
暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス

総文字数/7,985

恋愛(その他)25ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
それは、雨の夜。 「どうされましたか?」 「ふぉーりんらぶ……」 天真爛漫変態少女 × 容姿端麗ツンデレ執事 × …………

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop