愛してるって言って
最後に蒼ちゃんとこの七夕祭りに来たのは、あたしが中1のとき。


蒼ちゃんに釣り合うようにと、背伸びした服を着て、高いヒールを履いて、慣れないお化粧までしていたけれど、どうしても行動は素が出てしまうもので。


けれどそれを必死に取り繕っていると、最後にはいつも笑顔で受け入れてくれた蒼ちゃん。


ほんとにそう思っていたわけじゃなくて、あたしに合わせてくれていたってわかっているけれど、それが凄く嬉しくて心地よかった。



「涼夏?」



蒼ちゃんとのことを思い出していたらいつの間にか止まっていた足。


圭ちゃんが顔を覗き込んできて我に返った。



「短冊を書くんだろ?」


「……うん」



今度は圭ちゃんがあたしの手を引っ張って歩き出す。


カラフルな短冊の紙が置かれた台の前に立ってそれを一枚手にしたはいいけれど……


あたし、何て書くつもりなの?
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