愛してるって言って
そのまま玄関へ向かって靴を履いていると、背中に柔らかくてあたたかい温もりを感じた。



「すず?」



抱きついてきたすずを振り返るように見るけれど、俺の背中に顔を埋めていて顔が見れない。



「どうした?」


「……も、一回」


「ん?」


「もう一回、して?」


「何を?」



何のことを言っているのかわからず首を傾げる俺に、すずはゆっくりと顔をあげたけれど、



「すず!?」



そのまま一気に距離を詰めてきて、押し付けるように唇を重ねてきた。


けれど、慌ててすずの肩を掴んで引き離して、周りをきょろきょろと見回す。


紗羽さんや蓮くんがいたらどうするんだ!?
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