お嬢様の秘密ー番外編ー
−夏菜side-


裃学園を卒業し、その後私は大学へ進んだ。


無難に就職して、今は2児の母をやってます!


今日は久しぶりにユリに会う日。


高校時代まで毎日のように会っていた私達だけど、卒業するとやっぱりそうもいかなくなってしまった。







ーピンポーン


「あら、もう来たの?」


「奥様、私が参りますのでそのまま椅子にお座りくださいませ。」


「分かったわよ………。」


今も私に仕えている梶原。


もう40半ばじゃないのかな、私達が学生だった頃は30代だったから。


数年前に結婚したらしい。


あまりプライベートな話を聞かせてくれないけど。


結婚式くらい呼んでほしかったわ。


「奥様、ユリ様をお連れいたしました。」


「夏菜?………久しぶり!!」


ユリが私の家に到着した。


漆黒で艶のいい黒髪を緩くウェーブで抑えているのがまた一段と上品で小顔に見える。


今は夏で、シンプルな水色のワンピースで纏めているのがまたユリらしくて上品さを引き立てている。




私は椅子から立とうとしたが……。


「こら!立たないで!!前に会った時よりお腹が大きくなってるんだから!!」


そう。


今、私は妊娠8ヶ月だ。




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