俺は、お前がいいんだよ。

「わ、私…今度こそ帰っていい?連休中に出されてる課題、まだ終わってないのがあるから、やらなきゃ…。」


「そっか。じゃあ、帰るか。」


「う、うん。」


ただ“帰りたい”だけじゃ、引き止められそうな気がしたから、即席で理由…作っちゃった。


課題が出てるのは本当だけど、実は昨日…片付けたんだよね。


何はともあれ、あっさりと帰る方向に話を持っていけて良かった…。


胸を撫で下ろしていた時…。


「あっ、今日は…家まで送る。」


瀬ノ内君から飛び出した言葉に、私はブンブンと首を横に振った。


「いいよいいよ!!私の家、駅から大して時間かからないところにあるから!」


「だけど……」


「途中下車したら、色々と面倒じゃん。私の家と駅を往復するハメになるし、電車だって乗り直さなきゃいけなくなるんだよ?プレゼント選びも無事に終わったんだから、早く帰ってゆっくり休んだ方がいいんじゃない?」 


……って、今の言い方…素っ気ないな。


瀬ノ内君を責めてるようで、感じ悪かった。


不快に思っただろう…と気まずさを感じていると、瀬ノ内君からフッと笑う声が零れた。


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