俺は、お前がいいんだよ。
「親しげに話すの、やめてくんない?俺、アンタの知り合いでも何でもないわけだし。」
「えっ、瀬ノ内君…?」
「運営委員だからって、アンタと仲良くする気は一切ねぇから。」
キッパリと低い声で宣言する陽希と、返す言葉が無いのか、黙ってる栗山さん。
二人を交互に見ていると、柏木君が陽希のところにやって来た。
「陽希、伊織ちゃんとイチャイチャしてないで、空き教室行くぞ。うちの担任がミーティング資料を並べるの手伝えってさ。」
「は?何で俺らが…」
「仕方ないだろ?俺らのクラス担任がキャンプ運営委員の顧問なんだから。ほら、行くぞ!」
「はいはい、分かったよ。それじゃあ、由依…またな。」
軽く手を上げて、私に笑顔を見せた陽希は、柏木君と一緒に空き教室の方へと歩いていく。
その後ろ姿を見つめていた時…。
「本当にカッコいいなぁ…。瀬ノ内君が私の彼氏だったらいいのに…。」