あっぷるすとーりー。
透き通るような少し高めの声が掛けられ、それと同時に掴まれる肩

「これ…落としたの君じゃない?」

彼の手には10円玉が1枚。

「えっ?! …あっホントだ!! すみませんありがとうございます!!」

焦りながら受け取ると、彼は

「りんごジュース好きなの…?」

「えっ?あ、はぃ…?」

「あぁ!!ごめんね、いつもりんごジュース持ってるような気がしたから…違ってたらごめんね。」

彼の焦った声にわたし自身も焦って返事をした

「いやいやいや!!あってます!」

「そっか、気をつけてね!」

そう言うと名前も知らない彼は人混みの中に入っていった。
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