野獣の誘惑
ショックを隠しきれない私は 彼らに近づいていた




「私が臭いって事?」



「違う。匂いにも相性があるんだよ。体の相性と一緒で匂いにも。」



「匂いの相性は無理でも 体の相性は良いかもしれないよ?」



諦めない女の人 よほど彼が好きなんだろう



「それは無いな。もう見つけたから。」



ショックから怒りに変わった私は彼らを抜かそうとした時 彼が振り返った



え?



「菫。」



何で気付くの?
足音も立てずに歩いていたのに・・



クスッと笑って私を引き寄せる
ぼそっと彼が言った事に驚いた



“今 怒ってるだろ?匂いがきつくなってる。”



え?


だから 私が後ろに居るって気付いたの?
匂いがきついって 臭いって事?



急に不安になる私の肩を抱いて歩き出した
行く所はわかってる


開発のフロアの実験1


彼の部屋らしい



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