ワンコorオオカミですか!?
あんなものを。
狼君の方が、色んな高級ブランドや有名写真家が契約したいと年中忙しい人気クリエイタ―なにの。


「だから、先輩が先輩のままで居てくれるのであれば、俺は何も望まなかったけど、アイツのせいで変わって行く気がしてちょっとだけ怖かったんだ」

「私は変わらないよ。――私も変わりたくない」

「そうだよね」

渡されたチョコは、狼君の指先で少しだけ溶けていた。

口に放り込んだら、疲れも飛んで行ってしまいそうなほんのりビターな味が口中を支配して私を幸せに包んでくれる。

「――先輩」

私の手に、溶けて着いたチョコを狼君は手首を掴んで口に含む。

口の中で舌が動く感触に思わず肩が揺れて変な声が出てしまった。




「じゃあ、俺が先輩を壊したらどうなるのかな?」


その言葉に背中が甘く痺れていく。


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