ワンコorオオカミですか!?
四、壊していいですか?
次の日は、浜崎部長が有給を使って休めって電話をくれた。
多分、昨日の今日だし会社としても休んで欲しいんだと思う。

このままズルズル休んでしまいたい欲望と戦わねば。

狼君が、サンタの世話を頼むと言ってくれたのでお言葉に甘えて狼君の家へお邪魔した。


唇越しで貰ったチョコは、――ほんのりビターだったはずが蕩けるような甘い、砂糖漬けのような味に変えてしまった。

唇は触れていなくても、心を溶かされた――あれはキスだ。

尊敬を意味してのキスだとしたら手の甲だったはず。
唇にチョコ越しで触れる意味を――私は知ってしまってもいいだろうか。

可愛くて、面倒見が良くて、お母さんみたいな狼君が。

一昨日は知らない男の人みたいな顔をして怖かった。

昨日は、犬じゃなくてオオカミみたいで――でも怖いとは思わなかった。


アレが狼君が私に隠していた本性なのだとしたら、垣間見た今、私の心は揺れていた。

その狼君の気持ちを知ってしまっていいのだろうか。
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