ワンコorオオカミですか!?
「サンタ……。君は狼君に可愛がって貰ってる?」


ふわふわの猫ベッドに星の名札チャームがぶら下がった首輪に、色んな種類の縫いぐるみに小さなボール。

若干甘やかされすぎに見えるその姿は、私とサンタが重なって見える。

狼くんには私を猫のように甘やかして可愛がってくれるのか。


「サンタぁ。私、もう分からないよーう。どうすれば良いんだろう」

何かがはっきり私の中で変わろうとしている。

知りたくなかったか、初めての感情なのか。

その言葉を言おうとしたら、今までずっと逃げていた気持ちが……逃げて考えずにいた事が私に襲いかかってくる。


知ってしまったら、夜空にクジラなんて浮かばなくなる。

変わってるとか絵ばっかり描いて暗いと言われて逃げてきたのに。

私は人と関わらないでいいもん、絵さえ好きに描けたらいいのに。


そう、自分の心の中へ逃げてきたの。

絵が描けなくなるのは怖いけど。
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