ワンコorオオカミですか!?
会社でも確かに色々と変わった部分はあった。

先日の猫カフェの建築についての打ち合わせだけれど、内装デザインについてはインテリアコーディネーターの選出待ちだった。
これは、私がいつもペアをしている信頼関係ができた人が一番良いんだけど、――会社でそんな人は居ないし。それに先方の希望の人がいるかもしれない。

両者の意見を擦り合わせて決めていくはずだったんだけれど――。


「インテリアデザイナーの紺野がキミのペアに付くから」
「え」
「正直、此処まで大事になるとは思わなかったんだ。小さなカフェのデザインなのに、此処までする必要があるのか」

部長が苦虫を噛み潰したような複雑そうな表情で嘆息する。


紺野さんって聞いたことあるような。
私でさえ聞いたことあるって、かなりの有名人ってことだよね?

それってやっぱ私が頼りないから周りをしっかり者で固めようとしている?

「それと」

一番言いにくそうな、絞り出す様な声で部長は言った。

「生き物を扱うカフェだから、色々とペットトレーナーや愛護団体にデザインについて突っこまれることもあるらしく――美国が」

「美国が?」
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