どこかにトモダチ転がってませんか?
しばらくすると、タコさんが寄り合いから帰ってきました。
黙々と色を塗り続けてる私に早く休むように声をかけ、「何事もなかったかい?」と聞きました。
私は絵筆を置いて、タコさんの方へ向きました。

いろいろと話したい気分でしたが、きっとタコさんはキツネさんの事情を何もかも知ってるだろうと思ってやめました。

「キツネさんと……トモダチになりました……それから、誓いの握手もしました…」

驚いた顔を見せて、それからタコさんは笑った。

「そうか、そうか…」

そう言って、私の頭をグリグリと撫でました。

「あいつと「友達」になってくれたのか…。ありがとう。ののかちゃん」

「トモダチ」になってくれたのはキツネさんの方なんです…と言いたかったけど、タコさんがとても嬉しそうだったのでやめました。
それで、その顔を見ながら、タコさんもキツネさんの「トモダチ」なんだ…と思いました。



「トモダチ」のできた夜、久しぶりに家族の夢を見ました。
ロウソクのついたケーキを皆で囲んでました。


……皆、笑顔でした。

その笑顔に、また会いたい…と思った夜でしたーーー。


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