どこかにトモダチ転がってませんか?
ハイタッチしてから歩き出しました。

鳥居の所で、私は海方面に向かって、タコさんとキツネさんは、山方面に向かって進みます。
接点も何もない私達だけど、トモダチなんだ…と思うだけで、足が前に出ました。

キツネさんにもらった勇気と、タコさんにもらった優しさとで、歩いていく自信ができた。
私は2人に絵しかあげれなかったけど、生きてる限り、いつかご恩返しできる人になりたい。

それを信じて、それを「生きてく意味」の一つとして、頑張り続けよう…。
電車を降りたその先に何があっても、それだけは忘れずにいよう……そう誓って振り返りました。


遠くになる鳥居を眺めながら、一歩一歩、遠ざかっていく。
そんな私を、山の神様が応援してくれてるみたいに見えました。


(ありがとうございました……素晴らしい人達に巡り会えて……とても幸せでした……)


「いつかまた来ます」……と呟いて背中を向けた。


私の言葉を聞き届けたかのような1羽のトンビが、「ピーー!ヒョロロロロロ……!」と、頭の上を追い越して行った………




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