どこかにトモダチ転がってませんか?
「僕は今まで、誰にも心配などかけていないと思ってた…。乃々果のように、どこかへ行ってしまった訳でもなければ、家の中にいて、ただ部屋の中から出ないというだけ。…誰にも、何の迷惑もかけていないと信じ込んでいた…。でも、乃々果が家を出て……僕のやってる事は、これと同じなんだと気づいた……家の中にいても、姿を見せない自分は、外へ出て行ったのと同じなんだと思った……」


ずっと心配をかけてきたことを、お父さんとお母さんに謝りました。
2人は大ちゃんの肩を抱き、「大好きだよ…」と言葉を贈りました。


私の家出は、少しだけ家の中に変化を起こしたみたいです。
お母さんは月ちゃんの入れたカフェオレを飲みながら、自分の気持ちをちょっとずつ話し始めました。


ーー新しい風が生まれようとしてました。

家へ帰った、初日の夜の出来事ですーーー。
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