優しい時刻


午後の陽射し差し込むバスに揺られ、うとうとしていた時…






キキーッ


大きな音と共にバスが止まり、運転手さんがドアに向かって叫んでた。

「すみません…」
頭に手を置き、申し訳なさそうな表情で若い男の人が入ってくる

と同時に



「平和な午後にお邪魔します!このバスは空港に向かいます。ね、運転手さん」


何て、言うから眠気も一気に飛んでいっちゃった。



よく見るとナイフの入ってるような形のポケットが突き付けられていた。

でもその時、私には別の恐怖が襲ってきた



『バイト、クビになる!』と言う死活問題。



大学入って一人暮らしをする!と決めたら


両親は『そう?よかった、パパと2人で沖縄に家買ったのよ』だって。

新婚気分で、私を一人置いて飛んで行ってしまった。本当ビックリしちゃった…








じゃなくて、一大事だよこの状態。






私はおそるおそる手をあげた。

「あの~急いでるので下ろして貰えません…か?」




すべての視線が私に向けられた。

何をバカな事を言ってるのかと…
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