タイムトラベラー・キス

竜見くんの隣の席の椅子に座ろうとすると、竜見くんが「机の上に座っちゃいなよ」と言うので、机の上に座った。カバンは隣の机に置いておく。


「誰も使っていない机だから、座っても怒られないね」


「そうだね、でもちゃんと掃除してあるから埃っぽくないね」


何でもない話を5分ほどした時、竜見くんからとうとう”練習”の話が切り出された。
竜見くんは机から立ち上がり、自分の座っていた机を動かしてこちらに近づけた。


「もっと近づかないとキスできないからね。それと今日はね、いつもと違うことをしようと思って」


「いつもと違うこと?」


「ちょっとだけ目を閉じてて」


何をされるのかまったく予想がつかなかったけど、言われた通りに目を閉じてみる。
竜見くんは、何かを私の目の上に被せた。布のような感触で、目を開けることが出来ない。
……まさか、目隠しされてる?


「こ、これは何?怖いからやめて……」

急いではずそうとしても、竜見くんの手で止められてしまう。

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