タイムトラベラー・キス

「大丈夫。そんな変なことしないから。安心して?目を閉じていたほうが、より敏感になって楽しいと思うよ」


「でも……」


「……それ以上はもう、聞かないから」


竜見くんに唇を塞がれ、腕は竜見くんにつかまれたままで、私は何もできない状態になってしまった。
目隠しして、いったい何をするつもりなの……?


いつものように軽めのキスから深いキスへと変わっていき、その唇は頬から耳へと移動する。


「きゃっ……」


目隠しされている状態だと、次はどこに触れられるのか全く予想もつかない。
竜見くんの言うとおり、いつもより過敏に反応してしまう。

不意に肩を触られたり、背中を撫でられたりするのにもいちいち反応してしまう。


「今日の雫ちゃん、とてもかわいいね……」


耳元でささやかれたその声は、いつもより妖艶に感じる。
< 168 / 276 >

この作品をシェア

pagetop