タイムトラベラー・キス

――唇がゆっくりと離れていく。

それに合わせてゆっくりと目を開ける。
目の前には、雪とそっくりだけど、坊主姿でちょっと幼い男の子がいた。


「ゆき……?」


彼の名前を呼ぶと、彼は一瞬にしてゆでたこのように顔を赤らめた。


「い、いきなり名前で呼ぶなんて、聞いてねぇし」


「………はは、そうだね」


この初々しい反応が新鮮でたまらない。
17歳の雪はまだまだ余裕がないみたいだ。



「ねぇ、野々村くん」


「……何?」


「私、野々村くんのこと大好きだよ」


「……俺のほうが、お前のことを好きだよ」


そう言って、彼はまた私に口づけをした。
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