タイムトラベラー・キス
「東京はどう?雪くんはお仕事頑張ってる?」
「東京はやっぱり都会だね、人多いけどね。雪は仕事順調そうだよ。……お父さんは?」
「お父さんはね、タイミング悪く今出張中なのよ。とても雫に会いたがっていたから、また連絡してあげてね」
私は兄弟もいないから、お母さんは今家で一人ぼっちなんだ。
もし一人の時に倒れたりするようなことがあったら……と思うとぞっとする。
「お母さん、身体には気を付けてね。何かあったらいつでも連絡して」
「ありがとう。雫は昔から優しい子だね。……あ、そういえば、この前おくった昔の手帳は何に必要だったの?」
「え?あ、えーっとね、ちょっと調べたいことがあったんだ」
なるほどね、未来の私は、過去の手帳を見ていつタイムトラベルするか検討したかったから、実家から送ってもらたんだ。
そんなことをお母さんに言えるはずもなく、適当にごまかして自分の部屋に行く。