お隣さんは意地悪センセイ!





「わからない問題ちゃんと生徒に教えてあげてた…よく出来ましたねって笑ってた。部活のバスケだって先生忙しくてもちゃんと見てるし…」


『高梨さん、少し言葉を弁えたほうがいいよ』



『簡潔に言うと、変なことされても知らないよってこと』



櫻木先生、なぜだかわからないけどあたしのこと気にしてくれてた。


さゆりさんが作った料理も、呆れながらだったけど嬉しそうで。



何一つないなんて、なかったよ。



「そういえば、化学のニガテ重点プリントあたし用に作ってくれてわかりやすく教えてもらった」



武田は照れ臭そうにそう呟く。




根は本当、いい人なんだよ。



こうなったらあたしが絶対、櫻木先生の潔白を証明してみせる!!




と、意気込んでいた数時間前までは。



5限目は化学室で実験。

いつもは教室で授業だったのであたしはすっかり忘れていた。


あたしは武田を巻き添いにして予鈴が鳴るぎりぎり化学室に入った。




< 104 / 206 >

この作品をシェア

pagetop