Different Real
次第に暴力も酷くなって、頭を何度も壁に打ち付けられることもあった。
そんなある日、母親が俺を抱きしめて小さく呟いた。
「ごめんね......楽になろうね......一緒に......」
ロープのような物を俺の首にゆっくりと巻き始めた母親は泣いていた。
もうどうしようもないんだ、そう言って泣いていた。
死ぬんだ、って、そう冷静に思った。
なんでか怖くなかった。
近いうちどんな形であれ死んでいたに違いない。
毎日繰り広げられる暴力と、母親の叫び声。
もう辛かった。
死んでもいいと思った。
大好きな母親が殺してくれるなら、それでいいと.........。
「なにやってんだ!!!!」
バシッ
覚悟を決めて目を閉じた時だった。
父親の叫びに似た声と何かを叩く音。
首に巻かれていたものがパサッと膝の上に落ちた。
ゆっくりと目を開けると、肩を上下に動かし息をする父親の姿。
母親は床に転がっていた。
また、また暴力を..っ!!
「自分で産んだ息子を!お前は何してんだ!!!」