彼の優しさ

ー月曜日ー

購買で昼飯のパンを買った後廊下を歩いている時に結城に会った。

「結城、その後の子猫の様子はどうだ?」結城は弁当が入っていそうな小さな手提げかばんを持っていた。…別の場所で食べるらしい。

「順応性が高い子なのか直ぐに先住猫とも仲良くなって二匹でよく遊んでますよ。…昨日なんて全く同じ格好でお昼寝していましたし。」思い出したのかクスッと口角を上げて…何故だか…それを見たとき、とても惹かれた。

「…そ、そうか。結城やご両親には懐いているのか?」……ビクった自分の心はバレて無いだろうか?

「はい。しつけも大丈夫でしたし、元はとても賢い子何でしょうね。」のほほん、と言うと

「ではお昼寝休みが無くなってしまうのでこれで失礼します。」と結城は通りすぎていった。

……まぁ、アズサが適応してくれていたのは安心した。

だが、結城は独りで昼を食べるつもりなのか?…あの頃ならダチと、だなんて普通に有りそうな事の筈。祖父さんが言っていた『気を付けろ』と言う言葉が頭の中で引っ掛かった。

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