彼の優しさ

side 結城 藍


お盆明け、寮に入る日が来た。

寮の内部は先ず中央棟のにある、玄関や、食堂、寮母とかのバックアップをしてくれる人達の居住スペース。

東棟は女子寮生の居住スペースと女子のお風呂やトイレとか。

西棟は男子寮生の居住スペースと男子用のお風呂、トイレとか。(お風呂も二ヶ所に分けたのは覗き防止、とからしい。)

わたしが入る部屋は角部屋の309号室。

緊張する…。

階段を上って三階に。階段を上りきったら少し右に視線をずらすと303号室。左側は305号室。(304号室がないのは…確か『4』の数字が良くないものと考えられていた名残、かな?…4は〝し〟とも呼ぶしそれが〝死〟を連想させる、とか。)と余計な事を考えつつ、部屋に向かった。

部屋の前に立つとゆっくり深呼吸してからノックをした。数秒後『はーい。開いているからどうぞー』と声がしたから開けるとパァンと音がした。…クラッカー?

「ようこそ。あたし、櫻田真依。よろしくね♪」と言われて

「結城藍です。これからお世話になります。」と言うけど

「固いよタメだし敬語は無し。あとあたしは真依、って呼んでね♪」と言われてわたしも

「ありがとう、真依。わたしも藍で良いよ。」と答えた。
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