あまのじゃくな私が恋をした

相当、驚いているその表情をかわいいと思ってしまう。

はじめて会いたいが為に女の職場まで行くなんて、いまさらながら自分の行動力に笑えてくる。

えみりの同僚達が、期待の眼差しを向けてくるから、俺は期待に応えて好青年を演じる。

そう、俺の腹黒の部分は好きな女だけが知っていればいい。

「どうしているんですか?」

笑顔を振りまく俺が気に入らないのか⁈…そっけない

「逢いたかったから‥じゃダメか⁈」

自分で言っておいて驚いている。

えみりの態度に不安を感じていたのか⁈

「……えみり⁈」

何も言わない彼女の名を呼ぶと

「私も逢いたかった…」

嬉しくて胸に抱きついてきた彼女を片腕でぎゅっと抱きしめ、彼女の本心を確かめるために顎を掴み視線を絡ませる。

だが、その瞳は挑戦的だった。
おもしろい……

それなら…と、
あえて彼女のおでこにキスをする。

「…会いにきてよかったよ」

そう言えば、
キャーキャーと叫んでいる同僚達。

これで、お前は逃げれないよな⁈
悔しがる彼女の頬は、ほんのりピンクに染まっている。

そんな顔で睨みつけてもなんとも思わないが、そんな顔も俺だけに見せてくれているならうれしい。
< 65 / 79 >

この作品をシェア

pagetop