君が冷たい理由。【完】
6.






あの後どうやって帰ってきたのか、
全く覚えていなかった。
修学旅行から帰ると次の日はお休みだった。






「楽しかった?修学旅行」



「楽しかったよ」






久しぶりに家にお母さんがいて修学旅行のお土産などを渡していた。






「そういえばマスターから聞いたの。あんた男の子と話せるようになってきたって」



「あ、うん。一部だけどね」



「そう。その男の子はどんな子なの?」



「…優しい、よ」







私は颯太くんのことをそれしか知らなくてお母さんにそれしか言えなかった。



どんな関係なのかも聞かれたが、
キスはした仲だが付き合ってるわけでもなさそうだからただの友達、と伝えた。





お母さんはそう、と少し不安げに笑っていた。
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