オバさん娘・三浦幸子の恋
「怒った?」
「あー! 怒ったぜ!」

 身構える蓑口さん。
 秋山さんからぶん殴られると覚悟したのだ。
 怒りのオーラ全開で拳を振り上げる秋山さんだけど、大きく深呼吸した。
 手を出すつもりは毛頭無いようだし。
 秋山さんは幸子の傍に歩み寄って肩に手を回した。
 グィっと抱き寄せられて幸子は驚き顔を赤らめた。

「お前が二股掛けるんだったら、俺も同じように二股かけるからな! 文句なんて言えないぜ!」

 一転してニヤリと微笑んだ秋山さん。
 どこか、勝ち誇ったような表情を見せた。

「何か言いたい事は?」

 恵美が話しかけるけど、蓑口さんは何も言わず黙って立ち去って行った。
< 225 / 227 >

この作品をシェア

pagetop