喫茶人形 〜メイドの恋〜




サングラス


荒い息 ――――


バングルをした筋肉質な腕に
思いきり手をひっぱられて
ヨルに連れて行かれた所は
道路を渡った、暗い公園



よろけながら、足を止めたら


大きな手に髪ごとつかまれて

目の前の景色が真っ暗になる ――――



次には目の中に光が走って
耳鳴りと同時に、景色が逆さまになった



「…なんッでテメエは
いきなりいなくなってんだ?!
ぁあッ?!」




…手 ギシギシ鳴ってる


もげちゃうよ…



「黙ってねえで
何とかいえッつッてんだよォッッ!!」





…声 遠い


ヨルのブーツが 地面を擦る音




――― そして私は



公園内の ちいさな四角い建物の裏に

引きずられて、連れて行かれた ―――









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