私の好きな人

「つれな〜い!
僕の酒が飲めないっていうの〜?」

「飲めないから」


お母さんにそう言うと…
お母さんはシクシクと嘘泣きを初めて
また酒を飲んでいた


また飲むの…?
どんだけ飲むの…?


お母さんは、いつも私に冷たくするのに…

お酒が入ると別人のように甘えてくる…


それは私にとって嬉しいようなウザったいような複雑な気持ちだった


「僕のこと嫌いなんだ…っ
僕はこんなに雫のこと好きなのに…っ」

「はいはい
私もお母さんのこと好きだから
変ないじけ方やめて…」

「雫…っ!!
僕も雫のこと大好きだよぉ〜!!」

「はいはい」


お母さんは私に勢いよく抱きついて
頬を私の服に擦りつけていた


周りからは、可愛いって思うんだろうけどさ…
自分の親だからウザくてキモいって思うよね…?

お父さんは大変だね…
毎日こんな感じのお母さんを相手にしてて…


「今日は、なんで集まったの?」


これを開いたのはお母さんだった
なぜかは分からないが、お母さんの嫌いな蛍さんも呼んで飲み会なんて…

どうしたの?って聞きたくなる

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