ハッピーアワーは恋する時間
ジグザグに覆われた前髪から見える亜幸さんの切れ長の目が、すごくキラキラしてて・・・それに、裸眼の亜幸さんの視線って、すごく・・・色気があって、射抜くような強さもあって。
目ヂカラが宿ってるような気がする。

目をそらしたいけどそらせない、みたいな・・・いや。
そらしたいけど、そらしたくなくて・・・見ていたい?

とかもう、私ってば何考えてるんだか!

「つき合ってる彼は」
「は?」
「恋人。いるのか?」
「いません」
「マジ?」
「マジですよ。ってお母さんに会ったんなら、聞いてない・・・あぁ、こんな恥で情けない話、亜幸さんに言うわけないか」
「何だよ、恥で情けない話って」

というわけで、私は3年と約1ヶ月前の、あの「結婚・即離婚騒動」を、亜幸さんに話した。

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