ハッピーアワーは恋する時間
とにかく、愛していると思っていた博文さんから、騙され、裏切られたおかげで、私は春花さんと佐久間さんに出会うことができた。
住むところもなく、職もなかった私は、春花さんのおかげで、「ライラック」という小さな花屋の事務所の一角を住処にし、そこで働き始めた。

それから1年半後、「ライラック」にカフェコーナーを併設するため、前より広く、立地条件が良い今の場所へ移転した。
そして今では、個人だけでなく、企業やお店、ホテルも顧客となっている。
「ライラック」の店舗は相変わらず1つしかないけど、事業内容は拡大し、今もすくすく育っているところだ。

この3年と1ヶ月の間、全てがすんなり順調に上手くいったわけじゃない。
住処と仕事を得ても、小銭と相談して、食べるものを決めていた時期もあった。
「ライラック」が経営危機に陥った時もあった。

それでも私は後ろをふり向かず、前へ前へと進んできた。

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